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明治初期に岐阜ちょうちんを再興した
勅使河原(てしがわら)氏の、献上ちょうちんを復刻
明治期の岐阜市案内『岐阜美や計』(明治23年、長瀬寛二刊)に紹介されている岐阜ちょうちんの図柄を、今回の展示にあわせて再現しました。
元の絵は明治初期に明治天皇が岐阜を行幸された際、勅使河原直次郎氏が、天皇がお泊りになる場所を岐阜ちょうちんで飾った際の逸話を描いています。明治11年 西本願寺岐阜別院で直径60cmの提灯を1対、明治13年 多治見・西浦家で200張の岐阜ちょうちんが飾られ、すべてお買い上げとなりました。勅使河原氏は天皇一行から、明治維新後に衰退していた岐阜ちょうちんの製造を強く薦められました。
挿絵には、勅使河原氏のちょうちんのもてなしに心を動かされた明治天皇の側近、山階宮晃親王が詠み与えた歌が書かれています。
「ながらがわ 月なきよるに 水のうえに ひかり涼しき 軒のともし火」
勅使河原氏は岐阜ちょうちん再興にあたり、熟練した職人を集め、手仕事で美術価値の高い岐阜ちょうちんを目指しました。展示会や輸出も好評となり、これが現代の岐阜ちょうちんにつながっています。